症例報告
子宮蓄膿症があり、クッシングが疑われた症例にトリロスタンを使用したケースについて オダガワ動物病院 鈴木 透
動物・犬 種類・シーズー 年齢・10歳 性・雌 生年年月・94、08、04 体重 3.4kg 食事 ふつうの缶詰
HPI 食欲不振で来院。稟告でPU/PDがあるとのとこでした。
環境 IN door 100%
既往症 ワクチン・フィラリアは毎年。昨年3月に右3.4乳房に乳腺腫瘍。細胞診では良性とのこでした。その後数・大きさ変わらず。オーナーも手術を希望しなかったので経過を観察していた。
Tー40.4度、P nor R促迫
血液・生化学検査
PCV48・WBC18100(Banb 543 ・Seg11032 ・Lym3620・Mon905)TPP7.8g/dl ICT<5 Fib 400mg/dl (赤球系、自動血球機械、希釈液ぎれでできず)
TP7.3g/dll ALB3.3g/dll GOT 28U/L GPT 66U/L ALP 862U/L GGT9U/L BUN15.2mg/dl Cr0.6mg/dl GLU 112mg/dl Ca9.8mg/dl iP 3.1mg/dl TG88mg/dl T-CHO 450>mg/dl CPK65U/L
凝固検査
PT9.1sec・APTT15 sec・fib765mg/dl・AT。116%(75-130mg/dlを100%)
レントゲン 子宮蓄膿症。
UT (落下尿)
USG1.020 pro(+) PH 7 以下正常 沈渣 正常
イニシュアルプログレスリスト
ALPの上昇 肝臓・胆管疾患 甲状腺低下症 クッシング
T-choの上昇 甲状腺低下症 クッシング
追加検査 エコーを実施。軽度胆管炎がみとめられた。
経過
1/9日に手術をおこなう。 1/10日にACTH負荷テストをおこなう。1/10頃は製薬会社が連休に入っていたため、来院時、コートロシンもトリロスタンもなく手術がおわってからACTH負荷テストをおこなった。 手術後1日というストレス状態でのACTH負荷テストは有効はコルチゾール高いまま手術すると、傷の付きが悪く、また血栓形成が多く回復にマイナスの要因が多い。クッシングは飼い主の問題の改善が治療のゴールですが、この症例ではPU/PD左右対称性の脱毛はややありますが、その他のクッシングの症状は認めらませんでした。血液検査でリンパの減少は認められませんでしたが、ALPの上昇。T-choの上昇。GPT・GGTの軽度の上昇がみとめらた。
術後4日間点滴、バイトリル・1/10日よりトリロスタン1/2tab/hの投与にて良好。pre 5.63 post 41.27。1/13日に退院。 2週間トリロスタンを飲ませて1/26日再度ACTH負荷テストをしたところpre 5.35 post 8.17 予後は良好なため、トリロスタンやめて、クッシング症状がでたら来院とのことをつたえた。
トリロスタン
犬・5kg 30mg sid・5-20kg 60mg sid・20kg 120mg sid 投与量があたれば、投与後4時間でpreの値が1-2になる。速いのが特徴。progesteronの合成阻害。コルチゾールの前駆物質はできているので、アジソンにはならない。ミトタンより安全に使用できる薬が開発されたというフレーズでヨーロッパの先生が使用している。アメリカでは認可されていない。アメリカからの論文がない。長期投与はまだ開発されて2年なので不明。 モニターと薬量量の調節 1,3,6,13w、6,12mon 投与から2-6hでACTH負荷試験。 POSTのコルチゾールを1-2ug/dlに維持 コルチゾールの前駆物質なので機能低下にはならない。クッシングの症例が手術が必要な場合に使用。コルチゾール高いまま手術すると、傷の付きが悪い。また血栓形成が多い。
子宮・乳腺腫瘍の病理 診断結果:乳腺腫、子宮内膜炎 備考:乳腺は良性の混合性乳腺腫です。間質性成分が豊富なタイプです。乳管上皮は比較的きれいな二相性を保っています。全体に細胞に異型性も乏しく、悪性を示す所見はありません。子宮のほうは内膜炎とそれによる軽い腺の過形成です。悪性所見はありません。