投薬の難しさ。

(鳥をよくするも悪くするもやりかた次第)


鳥の保定

写真左に示したように人差し指と中指で首をしっかり保定するか、また写真右のように、人差し指と中指と親指で頭を固定しなければなりません。 怪奇映画ではありませんが、鳥は首の可動範囲が広く、首をしっかり押さえないと投薬したとき鳥に首を振られて薬が入らず、嘔吐してしまいます。これでは投薬の意味がありません。首を締めて殺してしまうのではと思い、首の保定が弱くうまく押さえられない方が多くみられます。犬猫も鳥も当然首には気管があるわけですが、犬猫は気管の軟骨がC型なのに対して、鳥は気管の軟骨が1周あり、首が締まりにくい解剖学的構造になります。また胸部に力が入らないよう注意しましょう。胸部に力を入れることが人で 言う首を締めることになります。

 


鳥への薬物投与 

           鳥には以下の4種類の剤型を使用しています。                         

ドライシロップ 飲水に溶ける。経口、そ嚢内投与。
シロップ製剤 飲水に溶ける。経口、そ嚢内投与。
注射液 飲水に溶ける。経口、そ嚢内投与。また胸筋に筋注する。
錠剤 単シロップに溶かし。経口、そ嚢内投与。

投与方法

注射ー胸筋に投与 注射投与  注射は弱っている鳥にはショックをおこすことがある。必ず胸筋に筋注すること。大腿四頭筋への投与は腎門脈循環があるため意味がない。セキセイインコで0.05mlが限界。油性タイプは禁忌。1-2回に限り、頚静脈より静注も可能。
経口投与には技術が必要です。犬猫の経口投与と同じと考えては困ります。
ゾンデ投与、
飲水投与  飲水投薬は指定された量を水にいれるだけなので、誰でもできます。しかし薬物と接する機会が少ないことが欠点です。ドライシロップ、シロップ製剤の使用が可能である。錠剤は重力の関係で下に沈んでしまい意味をなさない。

経口投与  ゾンデ投与の注意点

 鳥は経口投薬の難しい動物です。しかしやり方を会得すればそれほど難しいことはありません。残念ながら動物病院を訪れる鳥のオーナーの中で、正しく飲ませられる方は全体の20%位しかいません。本院に訪れた飼い主を見ても投薬できない方が殆どです。私は投薬がうまいと言ってくるオーナーがよくいますが、私の眼から見て、投薬ではなく、鳥を虐待してるにしかすぎない方が多くいます。人は体重50kgありますが、セキセイインコは正常で35g、オカメインコで80-100g程度の動物です。体力差を考え押さえて良い場所、簡単な解剖を頭にいれてあげないと投薬したばかりに鳥が体力を失い病状が悪化することもあります。簡単にいえば私たち平凡な人がプロレスラーに羽交い締めされて、強引に薬をのまされて効果があるかと言いたい訳です。このようなことをされたら誰でも薬の効能よりも体のどこかがおかしくなってしまうことがわかります。ところが、鳥に薬をあげる場合これに近いことが平気でおこなわれていることが現状です。薬の良しあしも重要ですが、いかに鳥をきちんと押さえ投薬できる方がもっと重要です。有するに鳥をよくするも悪くするもやりかた次第だと言いたい訳です。


経口投与

鳥の保定の写真3のようにおさえて、上嘴と下嘴の間に一摘、薬をおく。すると割れ目から薬が薬が口腔内にはいる。セキセイインコで1摘。オカメインコで2摘が限界。

(一般的成書ではセキセイ5滴、オカメ8滴のような記載を眼にする。この量では薬は吐かれる。)

絶対禁忌ののませかた。薬を口に入れる。このような飲ませ方をすると薬が肺に入り誤飲のもとになる。その場で死亡することもあります。鳥はほ乳類に比べ、気管分岐部が手前で、咽頭軟骨なく誤嚥しやすい。咽頭軟骨のまわりの筋肉の収宿により給餌がなされる。咽頭軟骨のまわりの筋肉の収宿は咽頭軟骨の反応にくらべて遅い。そのため嘔吐しやすくなる。


そ嚢内投与

ゾンデを使用する。セキセイインコで16。オカメインコで14位が使用しやすい. 一回でそ嚢内に投与すること。うまく入らないと鳥を弱らせる結果 になる。


強制給餌・そのう内の投与量 

グラフ セキセイインコの生後のそ嚢の大きさ 

セキセイ 生後10日1CC、生後20日2.5cc、生後30日4cc、生後40日2.5cc 巣立ちの時が一番大きい。

他の鳥のデーター成鳥で オカメ 5ml ハト300g

本来セキセイインコは雑食性である。オーストラリアではカンガルーの死体、動物死体、小動物、虫、雛鳥、卵、果実、野菜、木の実、葉、草の実、民家の残飯、などを食べている。栄養にはこれだけ必要。そして毎日数十キロ、数キロ飛んでいる。  飼育下では飛べない。人でいえば寝たきりの状態。よって食べ物は一定のものを与えたほうが良い。                          


小鳥の基礎代謝量

健康体の維持に必要な基礎代謝量

=70x体重の0.75乗 (kcal/day)...哺乳類  

=78x体重の0.75乗 (kcal/day)...100gを越える鳥   

=129x体重の0.75乗(kcal/day)...100g未満の鳥

*0.75乗は体重を3回かけて、ルート2回で割る。いわゆる安い電卓で可能。指数電卓はいらない。

 

健康体=1.4-2x基礎代謝量

何らかの疾患を持つ場合3x基礎代謝量

衰弱している場合=3.5x基礎代謝量

ヒナ=4x基礎代謝量

日本で販売されている主な餌                                                            

ラディーブシュ フォーミラー3 

1g中3350kcal/kg 40度を越えるとままこになる オカメでは食滞になることあり。                                                     

ラディーブシュ オプチィマス 

1g中3100kcal/kg 60-70度でも流動性を保つ オカメでは食滞になりにくい。 注意 弱っている鳥ほど餌の濃度を薄くすること。濃いとあげたあと吐いてしまう。ゾンデをとおることを確認すること。鳥にあげている量は体重、便の量(セキセイ便50コ/日-100コ/日)鳥の食欲状態をみてきめる。

odagawa animal hospital 

TEL 044-900-8588

AM9:00-12:30 PM4:00-8:00(日、祝6:00) 休診 木曜日


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